EXHIBITION

店舗横の展示スペースにて、月替わりで様々な
アーティストの作品をご紹介しています。
ぜひ、お立ち寄りください

山本容子 展 ―鏡の国の動物たち―

2023.12.01-12.27

銅板画家の山本容子氏は、文学や哲学、美術への深い造詣に基づいたストーリー性のあるテーマ設定やモチーフ選び、卓越した画面の構成力、軽快洒脱な色使いなど、魅力の詰まった独自の銅版画の世界を確立し、第一線で活躍を続けています。絵画に音楽や詩を融合させるなど自由自在にジャンルを横断し、これまでに数多くの書籍の装幀、挿画も手がけてきました。長きに渡り、国内外で毎年数多くの個展を開催し、2011年には京都美術文化賞、2013年には京都市文化功労者表彰など、多数の賞を受賞しています。

KAIGADO Galleryでは2010年より毎年山本容子氏の企画展を行っています。14回目となる今回は 展覧会タイトルを「鏡の国の動物たち」とし、今年新作として制作された「鏡の国のアリス」のシリーズから「チェスのナイト(騎士)」として描かれている馬のモチーフなど、動物達が描かれている作品を中心に展示致します。

1994年に刊行された絵本「Alice in Wonderland」の挿画の仕事をきっかけに、ルイス・キャロルのアリスシリーズの作品を数多く生み出してきた山本氏は、2023年に「不思議の国のアリス」の続編である「鏡の国のアリス」の新しいシリーズの制作をスタートしました。チェスのルールを理解している人のみが楽しむことができると言われている「鏡の国のアリス」。山本氏はチェスのゲームと向き合いながら本書を読み解き、本の中に見つけた数々の「謎」を作品の中に落とし込みました。山本氏により解釈され表現された「アリスの世界」の作品たち。鑑賞者はその独特の空想世界の中に引き込まれます。

併せて、読売新聞の夕刊「たしなみ」の挿絵として描かれた作品を中心に、動物達が描かれている作品を展示致します。

山本容子氏が本企画のために選別した華やかで明るい作品群を帝国ホテルのクラシックな雰囲気を楽みながらぜひ会場でご高覧ください。

 

 

略歴

銅版画家。1952年埼玉県生まれ、大阪育ち。京都市立芸術大学西洋画専攻科修了。1978年日本現代版画大賞展西武賞、1980年京都市芸術新人賞、1983年韓国国際版画ビエンナーレ優秀賞、1992年『Lの贈り物』(集英社)で講談社出版文化賞ブックデザイン賞、2007年京都府文化賞功労賞、2011年京都美術文化賞受賞、2013年平成25年度京都市文化功労者。2005年から現在にいたるまで、新たなライフワークのひとつとして“ホスピタル・アート”に取りくんでいる。絵の持つ癒しの力で患者をはじめ、医師や看護師たちが心穏やかに過ごせるよう、医療現場で壁画制作の創作にも活動の場を広げている。

山本容子 オフィシャルサイト https://www.lucasmuseum.net/

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