EXHIBITION

店舗横の展示スペースにて、月替わりで様々な
アーティストの作品をご紹介しています。
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栗原由子展

2020.10.05 - 11.03

ケーキ、フルーツ、野菜、花、海の生物など身近なモチーフを独自の感性で捉え、それを忠実に描く栗原氏の作品は、色鮮やかな配色と、日本画ならではの落ち着きとの両方を持ち合わせ、見る人を惹きつけます。今回、絵画堂での初の個展にあたり、栗原氏にインタビューを行いました。

 

・一瞬で心を奪われるような色鮮やかな配色が印象的ですが、配色はどのように決められていますか。

栗原:私は暮らしの中にある鮮やかな色味や面白い配色を人一倍感じ取る性質があるようです。その中でも特に心惹かれたものを「描きたい」と思うので、自ずとモチーフの色味が作品の最も大切な要素になります。例えば一枚の落ち葉の中にも、調理中のお肉の生の部分と焦げ目がついた部分にも、ミクロからマクロまで世界にはあらゆる配色のヒントが溢れています。自分で配色を作り出すのではなく、最初からモチーフに配色を決められていると言った方が正しいかもしれません。その色彩の面白さを最大限伝えられるよう、作品で表現できればと思っています。

・フルーツや洋菓子など洋風なモチーフも多いですが、日本画で描くことの良さや、反対に難しさなどはありますか。

栗原:日本画の画材の性質でしょうか、例えば派手な色味を用いても不思議と落ち着いて見えるところが良さであり面白さかと思います。またモチーフの概念を描く為に、平面的に捉えたり、置かれているシチュエーションや影といった「自分の中での余計な情報」を描かなくて良いという思い切り(デザイン)が出来るところも自分にとって日本画の面白いところです。海外の方が見たときに、そういう捉え方によってケーキのような洋風なモチーフにも日本らしさを感じられるようです。難しさは今のところ感じていませんが、あえて日本らしくないモチーフに、もっと挑戦してみたいという欲はあります。

・絵を描くうえで一番大切にされていることはどんなことですか。

栗原:絵を描く最大の理由として、私自身が感激したモチーフの魅力を作品を通して知ってもらいたいという事があります。その為にはモチーフに対して誠実である事、徹底的に観察すること、素材の良さを最大限活かせるように描くことが一番大切な事だと思います。いつまでも感動、感激できる感性を持ち続けられるようにいたいと思っています。

手に取りやすい小さな作品から、迫力のある大きな作品まで取り揃えております。ぜひお気軽にお問合せください。 
 
作家プロフィール
 
1976年生まれ
小学生時代をシンガポール、中学時代を千葉、高校時代をアメリカなど各地を転々。
 
1994年 筑波大学芸術専門学群日本画コース入学
1998年 筑波大学卒業制作展 筑波大学芸術賞受賞
1999年 筑波大学修士課程芸術研究科日本画専攻 IOC主催オリンピックアート&スポーツ2000日本代表
2000年 佐藤美術館奨学生展 トリエンナーレ豊橋 入選 屏風に描く大阪ビジョン21 佳作
2011年 ギャラリーLE DECOにて初の個展「FEAST」開催
2013年 BUNKAMURA BOX GALLERYにて個展「FEAST at Dragon Palace」開催
2016年 BUNKAMURA BOX GALLERYにて個展「FEAST in the woods」開催
2017年 竹ノ塚「昭和の家」にて個展「わたしの四季」展開催
2018年 BUNKAMURA BOX GALLERYにて個展「FEAST in the tropical rain forest」開催
     都立大学 noieギャラリーにて個展「栗原由子 日本画展開催
2019年 BUNKAMURA GALLERYグループ展 「日本画解放区」参
     いつき美術画廊 グループ展 「0号の世界展」参加
     arflex東京にて個展「おのずからしかる」開催
     都立大学 noieギャラリーにてグループ展「Haru no Uta」参加
     下北沢smatship galleryにて個展「TAPESTRY」開催
2020  都立大学 noieギャラリーにて個展「午後3時」開催
2020  arflex名古屋にて個展「おのずからしかる」開催
2020  ハイアットセントリック金沢に作品2点収蔵
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